[最新版]店長マニュアル 1-3.売上と利益は「人」の上に成り立つ|人の確保、育成と定着促進で生産性を向上

部下に手本を示してリードする笑顔の店長。店長マニュアル。売上と利益は「人」の上に成り立つ。人の確保、育成と定着促進で生産性を向上。売上と利益の増大、そして生産性向上は、そこで働く従業員のレベル向上と笑顔によって実現。

【この記事の概要】
 「売上と利益の増大も、生産性向上も、そこで働く従業員のレベル向上と笑顔によって実現します」
 店舗経営の成功は、働く人の成長と笑顔にかかっています。店長は質の高い人材を育成し、自ら模範を示すことが不可欠です。しかし、多忙な日常業務に追われ、十分な研修を受けられない店長も多く、創造的な業務ができない現状から、店長になりたくない症候群や人手不足を招いています。本来、店長の背中を見て部下が憧れることで人は成長し、売上も向上します。商売の基本は「人」であり、店長のレベルがそのまま店のレベルとなります。知識も重要ですが、店長自身が実務を習得し、模範となることが信頼獲得と店舗成長の鍵です。この記事では、この原則に基づいた店長育成の重要性を解説します。

この記事の目次

売上と利益は「人」の上に成り立つ

売上増大は従業員の成長と笑顔から

 店舗経営、ピープル・ビジネスでは、「売上と利益の増大、そして生産性向上は、そこで働く従業員のレベル向上と笑顔によって実現すると」定義しています。

店長には、質の高い従業員を自ら確保し、育成することで、高いレベルの店舗経営と商売マインドの実践と自らの成長が求められます。

しかしながら、多くの店長が十分なトレーニングを受けられないまま、「何が求められているのか」「何ができるようになればいいのか」といった疑問を抱え、レジ打ち、品出し、発注といった日常業務に追われ、店長としての本来の業務を遂行できず疲弊しているのではないでしょうか。

このような状況では、売上や利益向上のための創造的な仕事に取り組むことは困難です。

このような店長への過度な負担が、「店長になりたくない症候群」を繰り返してきました。「店長になりたくない症候群」は、長時間労働で満足な休みも取れない店長の姿が、従業員や部下に「大変な仕事はしたくない」と感じさせていたのです。これは、バブル期以降、何度も繰り返されています。

本来、店長の背中を見て「あのような人になりたい」と思わせることができれば、自ずと人は集まり、育ち、定着し、結果として売上と利益は向上します。これこそが、店舗経営、ピープル・ビジネスにおける人材開発と売上増大の基本原則です。しかし現状では、「負の連鎖」が人手不足に拍車をかけてしまっています。

ここでは、『売上げや利益は人の上に成り立つ』という店舗経営の原理原則に基づいた店長育成マニュアルについて解説します。

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商売の根本は「人」、経営は「実務と実践」

本部の商品開発を消費者に繋げるのは「店」、結果は「店長次第」

 消費者ニーズの多様化とライフスタイルの変化により、商品による差別化が難しくなった現代において、店舗経営では店長による差別化、真の意味での人間力による経営が求められています。

店舗運営に必要な商品の発注、陳列、販売、接客は全て「人」が行います。たとえ本社本部が優れた商品を開発しても、それを消費者に認知させ、来店を促し、実際に売る力が店舗になければ、売上には繋がりません。つまり、商売の根本は「人」であり、経営は「実務と実践」であると言えます。

ここで注意すべきは、理想や数字ばかりを追い求めすぎると、ミスや失敗を隠蔽したり、目先の数字の操作に走ったりし、最悪の場合、虚偽の報告や情報操作、数値の粉飾といった不正行為に繋がる可能性があるということです。

そのため、経営理念に基づいた明確な店舗経営目標を設定し、具体的なアクションプランを段階的に実践していくことが重要です。その目標達成のために何が必要なのでしょうか。

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『店長のレベル=店のレベル』、『店長の質=従業員の質』

マネジメント知識より「実務の習得と実践」で模範となるまで熟練

 店舗経営において、店長は経営学、マーケティング、会計、販売管理、労務管理、人的資源管理など多岐にわたる業務をマネジメントする必要があります。

「マネジメント」と聞くと管理業務をイメージする方が多いかもしれませんが、店舗経営におけるマネジメントは、机上の知識の習得よりも、まず実務を習得し、実践を通して結果を出すことを意味します。

なぜなら、知識だけがあっても実践できず、結果を出せなければ、従業員や部下からの信頼は得られないからです。また、自分自身ができないことを部下に求めても反感を買うだけで、成果には繋がりません。

そのため、この店長マニュアルでは、店長がまず実務を習得し、実践できるようになることを重視します。その上で、実務に関する知識を習得し、最終的には模範となるレベルまで徹底的に自己トレーニングを繰り返します。

そのような熟練した店長の姿を見て、従業員や部下は初めてあなたを店長として認め、信頼するようになるのです。

よって、店長のリーダーシップは、「手本を示して導く(Lead By Example)」スタイルが求められるのです。

つまり、『店長のレベル=店のレベル』、『店長の質=従業員の質』という認識がとても重要であり、店長であるあなたのレベル以上に店や従業員のレベルが向上することはないのです。

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